第54回日本頭痛学会総会
会長 橋本洋一郎
済生会熊本病院脳卒中センター
この度、第54回日本頭痛学会総会を2026年12月4日(金)・5日(土)に熊本城ホール(熊本市)にて開催する運びとなりました。
本総会では、「頭痛診療の社会実装 ―明日へのシナリオ―」をテーマに、頭痛医療の最新の知見と実践的な技術を共有する場とすべく、各種講演やセミナー、企業展示などを通じて、実りある学会となるよう準備を進めております。
日本頭痛学会が九州で開催されたのは2004年(鹿児島)のみです。2026年に熊本で学会を開催することで、九州全体の頭痛の診療・教育・研究・社会の啓発の底上げを図り、結果として日本全体の頭痛診療の“標準化” “均てん化” “社会実装”を達成できればと考えています。
頭痛診療では頭痛患者さんとの物語と対話の医療(narrative-based medicine)が実践でき、治療効果を患者さんとともに実感できる達成感の高い医療です。
頭痛に関する基礎研究・臨床研究で多くのエビデンスがでてきて、治療手段が増えて、「国際頭痛分類第3版」や「頭痛の診療ガイドライン2021」の作成・公開が行われ、エビデンスに基づく介入(evidence-based intervention:EBI)が、さらに積極的に行われるようなってきました。診療ガイドラインの策定により治療の“標準化”が可能となります。しかし特に一次性頭痛で、治療の必要な多くの患者さんがその恩恵にあずかっていません。ガイドライン作成・公開は、受動的なアプローチ(拡散)であり、研究開発によって得られた知識・技術・製品・サービスを実社会で活用する“社会実装”が必要です。
CGRP関連抗体、ゲパント、ジタンなどの新薬の登場による片頭痛領域の活性化が起こり、日本頭痛学会の会員や専門医が急激に増加している今が、頭痛診療の変革にとって大切な時期と考えられます。学会会員や頭痛専門医の増加、かかりつけ医と専門医の連携や専門医同士の連携による頭痛診療ネットワークの構築で頭痛診療の社会実装を行い、多くの患者さんが新たな頭痛治療の恩恵にあずかれるようにしていければと願っています。
脳神経内科、脳神経外科、小児科、産婦人科、精神科、心療内科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、麻酔科、歯科・歯科口腔外科、放射線科の先生、かかりつけ医、学校医、産業医、検診医、脳ドック医、養護教諭、保健師、看護師、薬剤師、心理士、鍼灸師、医療事務などの頭痛診療に携わる方々によって、院内や地域でのチーム医療・連携医療が進化しています。そのような中で、feasibility (実現可能性)とsustainability(継続性)を念頭においた頭痛に対するEBIの社会実装のためのシナリオ(計画を実現するための道筋)を頭痛診療に携わって皆さんと一緒に創っていければと思っています。
会員の先生はもちろん、非会員の先生、研修医、学生、一般の方々までは幅広い立場の方々にご参集いただきたいと考えておりますので、奮ってご参加いただけますようお願い申し上げます。